InBody測定原理

インボディ販売代理店 株式会社タクミです。

今回は、InBodyの測定原理をご説明させていただきます。

InBodyは、年齢・性別などによる「統計補正」を排除しています。

若者は高齢者より筋肉量が多い、男性は女性より筋肉量が多いなどの統計データが
体成分の算出式に組み込まれていないため、測定対象によって精度が変わることがありません

体に電気を流した際に測定される電気抵抗値(インピーダンス)・身⾧・体重の3 つの情報のみで
測定値を算出しているので、測定者のありのままの体成分を知ることができ、
わずかな体成分の変化を追うことができる
ことが特徴です。

InBodyの技術

生体電気インピーダンス分析(BIA)法は、人体に電流を流した際に発生する

インピーダンスから人体を構成する成分を定量的に測定する技術です。

インボディは独自の技術開発でBIA法を飛躍的に発展させました。

生体電気インピーダンス分析法

生体電気インピーダンス分析法は、水分を多く含む筋肉組織には電気が流れやすく、
水分をほとんど含まない脂肪組織には電気が流れない原理を利用します。

即ち、インピーダンスは体水分に対する抵抗を表すので、水分量によってインピーダンス値が異なります。
インピーダンスをさらに理解するには、レジスタンスとリアクタンスの概念、それらを使用してインピーダンスを計算する方法を理解することが重要です。

レジスタンスの概念

レジスタンスを理解するために、川の流れを想像してください。電流の流れと川の流れは性質が似ています。
川幅が狭く長い川は水が流れにくいですが、川幅が広く短い川は水の流れがスムーズです。
つまり、人体に電流が流れるときも川の流れと同様で、細く長い箇所の電流は流れにくく、太く短い箇所の電流は流れやすいです。
電気抵抗は電流の流れにくさを意味するので、細く長い四肢では抵抗が大きく、太く短い体幹では抵抗が小さくなり、抵抗値が異なります。

リアクタンスの概念

体内で細胞外水分に沿って流れてきた交流電流が細胞膜に出会うと、細胞内水分に電流が流れるためには細胞膜を通過する必要があります。
電流が細胞膜を通過すると、細胞膜で電流を邪魔する電気抵抗(リアクタンス)が発生し、
この抵抗は電流が細胞内水分と細胞外水分に沿って流れる際に発生する電気抵抗(レジスタンス)とは区分されます。
リアクタンスは細胞がエネルギーを貯蔵する能力を表し、細胞膜の完成度・細胞の構造的な安定性を反映すると言われています。

インピーダンスの概念

インピーダンスは、レジスタンスとリアクタンスのベクトルの和であり、交流電流の流れを邪魔する全ての要素の総称です。
レジスタンスとリアクタンスとは三角関数の関係を持つので、インピーダンスとリアクタンスが分かれば下図赤線の角度が計算できます。
この角度を位相角(Phase angle)と言い、細胞膜の完成度及び細胞内・外水分の均衡度を評価する指標として使用されます。

BIA法の基本原理

BIA法による体水分の算出は、人体を一つの円柱に見立てることから始まりました。
①円柱の体積は長さと断面積で求める
②インピーダンスは断面積に反比例して円柱の長さに比例する
という2つの数学的概念を使用することで体水分が求めることができます。

① 体積 = 長さ × 断面積

② インピーダンス=電気抵抗率(ρ) × 長さ ÷ 断面積

①と②の式から、次のような体積を求める式が導き出されます。

③ 体積 = 電気抵抗率(ρ) × 長さ² ÷ インピーダンス

③の式を人体にも適用し、円柱の長さには身長を当てはめます。

体水分の体積 = 電気抵抗率(ρ) × 身長² ÷ インピーダンス

この指数をインピーダンス指数と言い、体水分量は身長の2乗に比例し、インピーダンスに反比例することが分かります。
また、InBodyを測定する際になぜ正確な身長情報が必要かもこの指数を用いて説明できます。

BIA技術の限界とInBodyの技術

BIAの技術的限界①

これまでのBIA機器は単周波数(50kHz)の交流電流でインピーダンスを測定していました。
しかし、50kHzの低周波数は電流が細胞膜を通過しづらいため、細胞内の水分量および全身の水分量を正確に測定することができません。
その結果、水分バランスが崩れている高齢者や疾患者の体成分解釈を誤ってしまう場合があります。

InBodyの技術①

InBodyは1~3000kHz内の低周波数と高周波数の交流電流を組み合わせることで、
細胞内水分量(ICW)・細胞外水分量(ECW)・全身の体水分量(TBW)をそれぞれ分けて測定します。

多周波数のインピーダンス測定は水分バランスの崩れている高齢者・疾患者などで
正確な水分量や筋肉量が把握できるようにし、水分に関する新たな解釈も可能にしました。

 

BIAの技術的限界②

これまでのBIA機器は人体を1つの円柱に見立て、全身インピーダンスのみを測定していました。
しかし、人体は長さと断面積の異なる円柱で構成されており、この方法では全体インピーダンスの中でどこまでがどの部位で測定されたものか分かりません。
特に断面積の広い体幹はインピーダンスが全体の約5%に過ぎず、全身筋肉量の約50%を占めながらも推定に頼るしかありませんでした。

InBodyの技術②

部位別直接多周波数測定(Direct Segmental Multi-frequency Impedance Analysis: DSM-BIA)では、
人体を5つの円柱(右腕・左腕・体幹・右脚・左脚)に見立てます。

InBodyは各部位のインピーダンスを単独で測定し、正確に体成分を測定することができます。

BIAの技術的限界③

BIA法はインピーダンスから体成分を解釈する技術であるため、体成分の変化を
正しく比較するには、測定されるインピーダンスの高い再現性が必要です。
しかし、これまでのBIA機器では、電極を貼る位置や握る位置(浅く握る・深く握る)によってインピーダンスが測定される位置が変わる問題がありました。

InBodyの技術③

8点接触型電極は電流電極と電圧電極を分離し、特に手の電圧電極を親指に位置させることによって、
インピーダンスが測定される位置(電流の流れと電圧の測定範囲が重なる位置)を常に手首と足首に固定させる技術です。
この工夫は測定結果が手電極の握り方や足電極に立つ位置に左右されない、測定の再現性を高める代表的な技術です。

InBody技術の信頼性

統計補正を使用しないBIA技術

BIA法における統計補正とは、インピータンス・身長・体重の実測値だけでなく、
特定人種で表れる体成分の傾向を、体成分を算出する公式に予め組み込むことであります。
統計補正が入ると、測定時に入力する人種・性別・年齢・体型などの情報によっても
体成分が変わるため、BIAが不正確と言われてきた原因として指摘されてきました。

しかし、InBodyは統計補正を一切使用しないので、性別・年齢に関わらず
同じ体成分を持つ人ならどの国で測定しても、同じ体成分が算出されます。

InBodyに臨床公式の公開が求められない理由

体成分を算出する臨床公式に統計補正を使用すると、公式を作った集団と体成分の傾向性が異なる症例では、その補正が誤差として働きます。
そのため、従来のBIA法を用いた研究では、信頼性の限界を明確に示す方法として、臨床公式を公開することが常識でありました。

しかし、InBodyはその必要がなく、統計補正を排除した公式の開発過程も開発者(Dr.Cha, Harvard Medical School)の論文で公開されており、臨床活用を報告した多くの論文でレファランスとなっています。

 

さらに進化した独自の測定技術

InBody970の場合、1~3000kHzの多周波数を用いて右腕・左腕・体幹・右脚・左脚を分けて直接測定する
DSM-BIA(Direct Segmental Multi-frequency Bio-electrical Impedance Analysis)技術を搭載しています。
BIA法と言っても全て同じではありません。
SMFIM(Simultaneous Multi-frequency Impedance Measurement)技術は、複数周波数の
インピーダンスが同時に測定でき、更に多くの情報を計測しながらも所要時間を短縮しました。

InBodyが時間をかけて体成分を測定する理由

新陳代謝で常に動いている体水分を安定的に測定するため、最上位機種のInBodyでは
5部位を8周波数の交流電流で繰り返して測定し、合計40個のインピーダンスを計測します。
細かく計測されるインピーダンスは統計補正を使用しない技術の基となります。
また、全てのインピーダンス情報は画面・結果用紙・CSVの何れにも提供され
エラーコードと一緒に提供されるので、測定結果の信頼性を測定直後は勿論、後からでも確認することができます。

 

客観的に数多く検証されている精度

体成分測定のGold Standardとしては、DEXA(筋肉量・部位別筋肉量・体脂肪量)・水中体重法(除脂肪量・体脂肪量)・重水希釈法(体水分量)・臭化ナトリウム希釈法(細胞外水分量)などがあります。
このような方法とInBodyは、様々な人種の健常者・疾患者・アスリート・高齢者・小児などを
対象に第三者によって検証され、その結果が40件以上の国際論文として発表されています。
これらの論文を通じ、InBodyは被験者に関係なく一貫して高い精度を持つことが確認できます。

InBodyが20年以上変わらず選択される理由

技術開発の段階で特定集団でとても高い精度が確認されたからと言って、それが全ての症例に対して適用されるわけではありません。
InBodyの測定結果は、Gold Standardと98%一致する(R²=0.98) など特定数値を強調することはありません。
精度は測定条件によって変わり、特に統計補正が入る場合、試験群によっては補正値が誤差になることもあります。
InBodyは会社主導の精度検証の結果よりも、第三者によって客観的に試験が行われ、
更に厳しい審査を通過して論文として発表された結果を本当の精度として提示します。

 

世界各地から論文として共有される活用事例

InBodyは様々な条件で長年にかけて精度が検証されてきた結果、
今は医療診断・臨床研究・治験などの様々な分野で活用されています。

また、高い信頼性を背景に得られた成果は、世界中に論文として公表されています。
学術誌や学会誌で正式発表された活用事例は、常に学術専門チームが調べ、
InBodyの更なる活用に向けてのレファランスとして情報提供されます。

InBodyが圧倒的な数の研究報告を誇る理由

専門家向けの体成分分析にInBodyが採択される理由は、技術的な優位性だけではありません。
当社はBIA技術開発を先導する企業として、何より研究者の方々に対する研究支援を優先として考えます。

また、InBodyを用いた小さい研究報告も見逃さずにレファランスとして
管理し、学会・勉強会・共同研究など様々な形で最新の情報を発信します。
ホームページの専用窓口からは、全てのご質問・ご依頼に迅速に対応します。

 

株式会社タクミでは、新機種のお取り扱いも実施しております!

ご興味・ご相談・ご質問のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

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 この記事の投稿者

インボディ ブログ担当

愛知県長久手市にある株式会社タクミでインボディブロブを担当しています。
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