インボディ270S 結果用紙の見方 InBody270S
インボディ代理店の株式会社タクミです。
インボディ270がマイナーチェンジし「インボディ270S」が新登場しました。
マイナーチェンジにより周波数が3種類に増え、精度が改良されています。
全身位相角やエラーコード表示など測定項目も増加しています。
今回は、マイナーチェンジしたInBody270Sの結果用紙の見方をご説明します。
目次
InBody270S 本体
InBody270S 結果用紙
①体成分分析(Body Composition Analysis)
体重を構成している体成分の測定結果を提供します。
InBody270Sは4区画モデルに基づいて体成分を分析します。
4区画モデルというのは、人体の構成成分を体水分・タンパク質・ミネラル・体脂肪の4つに区分する理論です。
体水分量 (Total Body Water)
健康な人は体重の約50~70%が水分です。
体水分は摂取した栄養素を体の細胞に届け、老廃物を体外に排出する運搬の役割をしています。
タンパク質量 (Protein)
体水分と共に筋肉の主な構成成分です。
タンパク質量が足りないというのは、細胞の栄養状態が良くないことを意味します。
ミネラル量 (Minerals)
ミネラルの約80%は骨にあり、体を支える役目をします。
不足すると骨粗鬆症や骨折の危険性が高まります。
ミネラル量は除脂肪量と密接な相関関係にあります。
体脂肪量 (Body Fat Mass)
食事で摂った栄養分は消化吸収され活動のエネルギーとして使われます。
使いきれなかったエネルギーは脂肪細胞に蓄積され、肥満の原因となります。
② 筋肉・脂肪 (Soft Lean-Fat Analysis)
筋肉と体脂肪の均衡が分かります。数値は各項目の測定値を示します。
棒グラフは各項目の理想値に対する比率を意味します。
つまり、表にある100%は測定者の理想体重(標準体重)を基準に算定した理想値を意味します。
また、棒グラフの先端を線で結んだ時の形によって、標準型・強靭型・隠れ肥満型等の身体のタイプが分かり、
体重管理のために運動/食事管理をする際は、筋肉と体脂肪に変化が現れるため、そのモニタリングが正しくできます。
なお、この項目が示している筋肉量は骨格筋量ではありません。
人体を組成・化学的な面からみて、体重から体脂肪量や骨ミネラル量を除いた部分をSoft Lean Massと言い、これに最も近い言葉として筋肉量と表現しています。
InBodyの筋肉量は、DXAが提示する筋肉量(Lean Soft Tissue Mass;除脂肪軟組織量)と定義が一致します。
③ 肥満指標 (Obesity Index Analysis)
測定者の体型と肥満の有無が分かります。
体重と身長を利用したBMIだけでは、肥満度の判定に限界があるため、BMIと体脂肪率の両方から体型や肥満度を把握することができます。
標準範囲・標準値の決め方
BMI (Body Mass Index)
WHOの定めた基準を根拠にしており、標準範囲は男性18.5~25.0(標準値22.0)、女性18.5~25.0(標準値21.0)です。
* 環境設定「20. 標準範囲」で、標準範囲を変更することができます。
体脂肪率 (Percent Body Fat)
体成分に対する各種論文を根拠にしており、標準範囲は男性10~20%(標準値15%)、女性18~28%(標準値23%)です。
* 環境設定「20. 標準範囲」で、標準範囲を変更することができます。
結果の見方
BMIと体脂肪率の棒グラフの長さを比較し、測定者の体型を確認することができます。
例) 低筋肉型肥満(やせ型肥満)体型の女性
BMIは21.0kg/㎡の標準で見た目としては普通の体型ですが、体脂肪率は33%で標準より高いため実際は肥満体型です。
例) 筋肉型体型の男性
BMIは30.0kg/㎡の標準以上で見た目の体格は大きいですが、体脂肪率は15%の標準であるため実際は筋肉質な体型です。
④ 部位別筋肉量 (Segmental Lean Analysis)
部位別(右腕・左腕・体幹・右脚・左脚)の発達程度を確認することができます。
現在の体重に対して筋肉量が十分なのかを判断し、筋肉が多いほど健康な体であると言えます。
また、上下半身の筋肉の発達程度や左右の均衡が分かるので、運動療法の判断基準になります。
⑤ 部位別体脂肪量 (Segmental Fat Analysis)
部位別(右腕・左腕・体幹・右脚・左脚)の体脂肪量を確認することができます。
体脂肪量
上の数値は実際の体脂肪量を㎏で表示しています。
評価
標準体重で持つべき各部位の体脂肪量と比べて評価します。
身体のどの部分に体脂肪が多く溜まっているか分かるため、運動・食事療法の参考になります。
⑥ 体成分履歴 (Body Composition History)
測定IDの直近データ(体重・筋肉量・体脂肪率)を8件まで表示します。
機器の設定から「全体」を選択すると、全ての測定結果がグラフで表示されます。
この場合、測定値は最初と最後の結果のみに表示されます。
⑦ InBody点数 (InBody Score)
一般の方が体成分の測定結果を簡単に理解していただけるように弊社独自に点数化したものです。
除脂肪量と体脂肪量の実測値を標準値と比べることで点数を算出します。特に医学的根拠はありません。
InBody点数は80点を基準とし、体重調節の筋肉調節量が+1㎏、脂肪調節が±1㎏ごとに点数は1点下がります。
また、筋肉量が標準より1㎏多くなるにつれて点数は1点ずつ上がります。
点数が高い場合は、筋肉が多く体脂肪が標準的な状態で、点数が低い場合は、筋肉と脂肪の均衡が良くない状態を意味します。
* 体内の体水分均衡が崩れている場合、点数は表示されません。
* 70点以下:虚弱型、肥満型 / 70~80点:一般型 / 80~90点:健康型 / 90点以上:筋肉型
⑧ 体重調節 (Weight Control)
適正体重は標準BMIから求める標準体重とは異なる概念です。
標準体重は身長に相応しい体重であり、単純に身長を考慮したものですが、適正体重は測定者の体成分を考慮し、筋肉量と体脂肪量が理想的になった状態の体重です。
例えば、筋肉量が多くて体重が重い場合、筋肉量をわざと減らす必要はないため、適正体重は標準体重より重くなります。
⑨ 筋肉均衡 (Lean Balance)
上半身均衡・下半身均衡
上半身は両腕の筋肉量の差が6%以上をやや不均衡、10%以上を不均衡と評価します。
下半身は両脚の筋肉量の差が3%以上をやや不均衡、5%以上を不均衡と評価します。
上下均衡
両腕と両脚の筋肉量をグラフで表した際にグラフの長さの差が1目盛以上はやや不均衡、2目盛以上は不均衡と評価されます。
※ 当項目の評価基準は部位別筋肉量をグラフで表示する機種に限って詳細が確認できます。
⑩ 栄養評価 (Nutrition Evaluation)
タンパク質量
タンパク質量が標準値の90%未満の時、不足とチェックされます。
低体重でよく見られ、筋肉不足や栄養状態が悪いことを意味します。
ミネラル量
ミネラル量が標準値の90%未満の時、不足とチェックされます。
不足の場合、関節炎・骨折・骨粗鬆症等が現れやすくなります。
体脂肪量
標準体脂肪量の80%未満なら不足、160%以上なら過多、その間は良好と評価します。
⑪ 肥満評価 (Obesity Evaluation)
BMI
WHO基準に従って、18.5~24.9は標準、18.5未満は低体重、25.0~29.9は過体重、30.0以上はひどい過体重と評価します。
体脂肪率
男性の場合、体脂肪率が20%未満なら標準、20~25%なら軽度肥満、25%以上なら肥満です。
女性の場合、体脂肪率が28%未満なら標準、28~33%なら軽度肥満、 33%以上なら肥満です。
⑫ ウエストヒップ比 (Waist-Hip Ratio)
臀囲に対する腹囲の比の推定値であり、WHR(Waist-Hip Ratio)と表記されます。
* 環境設定「20. 標準範囲」で、標準範囲を変更することができます。
⑬ 内臓脂肪レベル (VFL; Visceral Fat Level)
内臓の間に存在する内臓脂肪の量を推定したレベルです。
内臓脂肪レベルを10以下に維持することが健康な状態と言え、10を超えると注意が必要です。
⑭ 研究項目 (Research Parameters)
骨格筋量 (SMM; Skeletal Muscle Mass)
随意的な運動が可能で筋組織による横紋を持っている筋肉を意味します。
四肢の筋肉は骨格筋のみで構成されている反面、体幹の筋肉には内臓筋・心臓筋も混在します。
そのため、当項目は全身筋肉量から、推定される内臓筋・心臓筋の筋肉量を除いた値でもあります。
除脂肪量 (Fat Free Mass)
体重から体脂肪を除いた筋肉や骨の総量を表します。
同じ体重でも除脂肪量が少ないと筋肉量も比例して少ないため、基礎代謝量が低下して痩せにくいことを意味します。
基礎代謝量 (BMR; Basal Metabolic Rate)
呼吸や心臓の鼓動など生命維持に必要な最小限のエネルギーです。
InBodyで計測した除脂肪量に基づき、次のカニンガムの公式を利用することで算出します。
基礎代謝量は筋肉量と比例するので、筋肉量が増加するほど基礎代謝量も増加します。
* 基礎代謝量(安静時代謝量)=370+21.6×除脂肪量
腹囲 (WC; Waist Circumference)
へそ周りのウエストサイズです。
体幹のインピーダンスを直接測定することで、メジャー測定値との近似値が実現します。
男性は85cm、女性は90cmが境界値です。
除脂肪指数(FFMI) (Fat Free Mass Index)
除脂肪量を身長(m)の二乗で割った値です。
身長が異なる人同士の除脂肪量を客観的に比較するための指数です。
体脂肪指数(FMI) (Fat Mass Index)
体脂肪量を身長(m)の二乗で割った値です。
身長が異なる人同士の体脂肪量を客観的に比較するための指数です。
骨格筋指数(SMI) (Skeletal Muscle Mass Index)
骨格筋のみで構成されている四肢の筋肉量を、身長(m)の二乗で割った値であり、SMIと呼ばれることが多いです。
筋肉量の減少と関連する疾患であるサルコペニア(筋肉減少症)を早期に評価するために活用される指標です。
AWGS 2019による評価基準は、男性<7.0kg/m²、女性<5.7kg/㎡です。
骨格筋率(SMM/WT) (Skeletal Muscle Mass/Weight)
体幹の骨格筋を含む全身の骨格筋量を、体重で割って比率で表した値です。
体重に占める骨格筋量を評価するための指標です。
⑮位相角 (Whole Body Phase Angle, θ )
50kHz の交流電流が体水分に沿って流れる際に発生するレジスタンス(R)と、細胞膜を通過する際に発生するリアクタンス(Xc)の位相差を意味します。
体細胞量や細胞膜の構造的完成度に比例するので、生命予後や重症度の指標として広く活用されています。
一般的に右半身を測定した位相角を全身の位相角(Whole BodyPhase Angle)と表記します。
* インピーダンス、レジスタンス、リアクタンスは三角関数の関係を持ちます。
⑯インピーダンス (Impedance)
部位・周波数別のインピーダンス(Z)情報をエラーコードと一緒に表示します。
インピーダンスは交流電流が体内に流れる際に発生する抵抗であり、全ての体成分結果の基となります。
使用する交流電流の周波数は20kHz の低周波から100kHzの高周波であり、高周波の電流は細胞内も含めた全体の体水分に沿って流れます。
その反面、低周波の電流は細胞膜の抵抗により主に細胞外水分に沿って流れるため、インピーダンスは低周波より高周波の電流で小さく計測されます。
従って、正常な手順や姿勢で最後まで測定した場合、インピーダンスは必ず測定部と
各周波数の特性に合致するパターンが計測されるので、下記を基準にエラーの一次判定ができます。
① 20-100kHz の間で0.1Ω以上逆転している箇所がある。
② 高値(体幹50Ω以上、四肢1000Ω以上)を超える箇所がある。
③ 値が急落(体幹10Ω以上、四肢100Ω以上)した箇所がある。
しかし、インピーダンスグラフ上では上記の条件に対する該当有無を判断することは難しいため、グラフ左下に表示される「エラーコード」を一緒に確認します。
インピーダンスが正常に計測された場合、エラーコードは[000/000/000]と表示されます。
オプション項目
InBody270Sは環境設定で結果用紙右側の表示項目を変更できます。
骨格筋指数 (Skeletal Muscle Mass Index)
IDを入力して測定した場合、直近5回分まで骨格筋指数の履歴を表示します。
研究項目 (Research Parameters)
肥満度 (Obesity Degree)
標準体重に対する現在体重の比率です。
体成分を考慮せずに肥満を判定するために比較的簡単に使用できますが、実際の肥満を判定するには限界があります。
* 肥満度=現在体重/標準体重×100
推奨エネルギー摂取量
健康な方における1日に必要なエネルギー推定量を算出したあと、InBodyで測定した体成分を考慮して補正した値です。
体重と骨格筋量が両方とも標準範囲未満である場合は、推奨エネルギー摂取量は増加しますが、
体重と体脂肪率が両方とも標準範囲以上である場合、推奨エネルギー摂取量は減少します。
運動別消費エネルギー量
計画表に沿って運動することによって体重の減少量が予想できるため、計画性のない無理な体重調節を避けることができます。
計画表作成方法
1) 一週間で実践できる運動を選択して、一週間分の消費量の合計を算出します。
2) 次の計算法を利用して一ヶ月後の予想体重減少量を求めます。
* 一ヶ月後の予想体重減少量=一週間分の消費エネルギー合計×4÷7700
血圧 (Blood Pressure)
平均血圧 / 脈圧 / 心筋仕事量
InBodyに接続された血圧計で測定した平均血圧、脈圧、心筋仕事量(Rate-PressureProduct; RPP)の数値を表します。
* インボディ・ジャパンの指定する血圧計のみ接続できます。
収縮期 / 拡張期 / 脈拍
InBodyに接続された血圧計で測定した収縮期血圧(最高血圧)、拡張期血圧(最低血圧)、脈拍(心拍)の数値を表します。
* インボディ・ジャパンの指定する血圧計のみ接続できます。
InBody270S その他結果用紙
InBody270Sは環境設定から結果用紙の種類を変更することができ、目的に見合った項目の出力が可能です。
小児用結果用紙
成長曲線 (Growth Graph)
小児標準成長曲線は、小児の身長・体重・BMIから選択した2項目を
同年齢の小児と比較することで、成長程度が確認できるグラフです。
日本:日本文部科学省が発表している小児成長曲線です
WHO2007:WHOが定めている最新の小児成長曲線です
InBody270S まとめ
株式会社タクミでは、インボディ270から仕様変更しました『InBody270S』の購入/リースのお取り扱いも実施しております!
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